染谷 香理
Kaori SOMEYA
1977年島根県生まれ。1999年東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻卒業、2002年同大学院文化財保存学保存修復日本画修士課程修了後、同研究室の非常勤講師、教育研究助手、助教を勤める。大学院在学中に伝統と革新を追求する日本の美術公募団体展である院展に初入選、以後、再興院展で7回、春の院展で5回の奨励賞受賞を重ね、2013年春の院展で外務大臣賞、2018年再興院展で足立美術館賞を受賞、日本美術院特待となる。江戸時代の日本画の技法材料を研究し、人物、花鳥を主題として、日本の伝統的な世界観である「ハレ」と「ケ」という時間軸を描き、数多くの個展・グループ展等で発表している。
Statement
東洋の特に日本の江戸時代の絵画材料について学び、研究を行ってきました。
東洋の画材は、岩から作られた群青や緑青、土から作られた黄土や白土、風化した貝から作られた胡粉、金属を加工して作られた鉛丹や朱、植物や虫から抽出した藍や臙脂、金属そのものである金や銀など、実に様々な素材から作られています。
そしてそれらは特に日本画において、全く異なる物質であるにもかかわらず、一枚の画面の中で決して混ざり合うことなく、お互いを尊重しあい、調和して存在感を放ちます。そしてこのように複合的な要素を一枚の画面の中に取り入れるという行為は、材料そのものだけではなく、描写や装飾といった表現方法にまで及んでいます。
私はこのような材料を用いて、作品の中に日本の伝統的な世界観である「ハレ」(非日常)と「ケ」(日常)時間軸を閉じ込めています。華やかな舞台である「ハレ」(非日常)は美しい二次元の文様に置き換え、日々の暮らしである「ケ」(日常)は現実に存在する三次元のモチーフで表現し、その間を絵の中の主人公が行き来し彷徨います。それは非日常と日常との間だけではなく、本当と嘘、本音と建て前、必然と偶然のように常に相対する物の間で我々が日々選択を迫られている事とも同じです。そしてそこに答えはありません。日本画の画材がそうであるように、私は、それら全てがどのようにしてバランスを保ち、尊重しあい、調和するのか追い求めているのです。

Biography
略歴 | 1977 | 島根県生まれ |
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1999 | 東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻卒業 | |
2002 | 東京藝術大学大学院美術研究科文化財保存学保存修復修士課程修了 | |
2004 | 東京文化財研究所研究補佐員(~06年) | |
2008 | 慶応義塾大学非常勤講師(~13年) | |
2009 | 東京藝術大学大学院非常勤講師(~14年) | |
2014 | 東京藝術大学大学院教育研究助手(~17年) | |
2015 | 日本美術院特待推挙(~現在) | |
2017 | 東京藝術大学大学院助教(~2020) | |
現在 | 日本美術院特待 |
Public Collection
作品収蔵 | ||
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足立美術館/郷さくら美術館/新見市美術館/今井美術館 |
Solo Exhibition
主な個展 | 2005 | 「染谷香理個展」 銀座ぎゃらりぃ朋 |
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2008 | 「生き物のカタチ」 銀座ギャラリーゴトウ | |
2010 | 「色んなカタチ」 池袋東武 | |
2012 | 「オンナゴコロと空模様」 池袋東武 | |
2013 | 「はなのいろ」 広島そごう | |
2014 | 「花塗れ-はなまみれ-」池袋東武絵画市 | |
「はなのいろ」大津西武・神戸そごう | ||
2015 | 「Synchronicity-意味のある偶然の一致-」 池袋東武 | |
2016 | 「『更生保護』表紙絵による染谷香理作品展」 銀座ナカジマアート | |
2017 | 「染谷香理個展」福岡大丸 | |
「時のうつろい」松江一畑 | ||
「ハレ・ケ-染谷香理個展」三越日本橋本店 | ||
2018 | 「異曲」 池袋東武・船橋東武 | |
2020 | 「Mixed」仙台三越・代官山artobssession galalley |
Group Exhibition
グループ展 | 1998 | 「蠢動展」(~’01年) |
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2001 | 「春の院展」(~’06年,’09年~) | |
「再興院展」(’03年~) | ||
2003 | 「有芽の会」西武(~’07年) | |
2004 | 「新樹会」三越(~’12年) | |
2005 | 「聿の会」松坂屋(~’09年) | |
「petit tableaux プティ・タブロー展」オンワードギャラリー(以後’13年除き毎年) | ||
2009 | 「Brightness」アートフェア東京(~’10年) | |
「五線譜の詩」そごう西武(以後毎年) | ||
2010 | 「―21世紀を翔る―明日の日本画展」松坂屋 | |
2011 | 「夏の芸術祭―次代を担う若手作家作品展」三越(’12,’14) | |
「高輝会」高島屋(’12) | ||
「東日本大震災復興チャリティ・オークション 今日の美術展」東京美術倶楽部 | ||
2012 | 「埼玉在住院展作家展」八木橋百貨店 | |
「初音会」松坂屋(~’4年) | ||
2013 | 「TRENTENNE」オンワードギャラリー | |
2014 | 「采の会」松坂屋 上野・名古屋 | |
「藝大若手アーティスト ~selected by MITSUKOSHI」アートフェア東京 | ||
2015 | 「公募団体ベストセレクション」東京都美術館 | |
「無窮の會」三越日本橋本店(~2017年) | ||
2016 | 「サクラ、桜、さくら展-近・現代巨匠たちの競演-」新潟伊勢丹7階アートホール | |
「青晴会」高島屋横浜・大阪・京都(~2020年) | ||
「若き才能が描くバレエダンサー」西武池袋(同2018年) | ||
第9回 「菅楯彦大賞展」京都文化会館・倉吉博物館 | ||
2017 | 「第5回 郷さくら美術館 桜花賞」郷さくら美術館・東京 | |
「三越美術110周年 HOPES 次世代100選展」三越日本橋本店 | ||
「~現代作家70名が描く、つくる~吾輩の猫展」佐藤美術館 | ||
「東京藝術大学130周年記念展」三越日本橋本店 | ||
2018 | 「更生保護表紙絵ゆかりの作家展」三越・本店、松山店、広島店 | |
「水無会」春の院展小品展 阪急うめだ本店(~2019年) | ||
「日本画解放区 La Nouvelle Vague de Peinture Japonaise」Bunkamura Gallery | ||
2019 | 「華厳の会」そごう千葉店、大丸松坂屋名古屋店、そごう大宮店(~2020年) | |
「文化財保存修復日本画展(文保日展)」東京藝術大学陳列館 | ||
「光芒の会」岩勝画廊 | ||
「染谷香理 山口貴士 二人展」東急百貨店渋谷本店 | ||
2020 | 「炫の会」岩勝画廊 |
Award / Others
受賞歴 | 1999 | 青垣2001年日本画展 佳作賞 |
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2007 | 有芽の会 法務大臣賞 | |
2011 | 再興96回 院展 奨励賞 | |
2013 | 68回 春の院展 外務大臣賞 奨励賞 | |
再興98回 院展 奨励賞 | ||
2014 | 第二回 郷さくら美術館 桜花賞 奨励賞 | |
69回 春の院展 奨励賞 | ||
99回 再興院展 奨励賞 | ||
2015 | 70回 春の院展 奨励賞 | |
第4回 前田青邨顕彰中村奨学会 中村賞 | ||
100回 再興院展 奨励賞 | ||
2016 | 71回 春の院展 奨励賞 | |
101回 再興院展 奨励賞 | ||
2017 | 102回 再興院展 奨励賞 | |
2018 | 72回 春の院展 奨励賞 | |
日本美術院奨学金 | ||
103回 再興院展 奨励賞・足立美術館賞 | ||
2020 | 75回 春の院展奨励賞 |
その他 | ||
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2014年5月号~ | 人事院月報 表紙絵担当 | |
2015年8月号~2016年7月号 | 更生保護 表紙絵担当 |
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